意識を変化させることの恐怖

意識を変えることを、人は無意識に恐いと感じています。

それは、一つには、どんな嫌なものであったとしても、これまで長年慣れ親しんできた考えや価値観に人は、安心感を抱いているからです。それを手放してしまうことは、不安を伴うことです。例え、「私は無能だ」とか「私には価値がない」といった、一見すぐにでも手放してしまいたいと思うようなものであったとしても、です。

もう一つの理由は、長年持ち続けてきた考えや価値観は、これまで自分を守るための壁になってくれていたものだからです。なので、それを手放してしまうと、自分の身を守るための手段が無くなってしまうと無意識に感じているからです。つまり、守るべきものが自分の中に存在していると感じている限り、意識を変えることには抵抗感が生まれてくるでしょう。だから、まずは、守らないといけないと感じているものを手放すことが必要です。それが無くなれば、守るための壁も必要なくなります。そうすると、抵抗感を感じることなく自然に壁が消えていきます。そうなって初めて、新しい意識や発想が受け入れられる、生み出せる環境が整うわけです。そして、私たちがその必死になって守っているものの正体は傷ついてボロボロになって疲れ果てている自分の姿です。もう二度と同じ思いをしなくてすむように、壁を立てることで周りの様々な要因から身を守っているのです。

なので、壁は、~にならないために「〇〇しなければならない」または「〇〇してはいけない」といった価値観として存在しています。傷ついて疲れ果てている自分を、許して癒して労って認めて受け入れてあげることで、やっと前に進めるようになります。そのためには、その傷ついている自分の姿を見なければなりません。それが人にとっては恐くて勇気のいることなのですよね。その傷ついた自分の姿と向き合うことを人は無意識に避けているので、今までの意識のままでいる方が心地が良いと感じてしまうのです。しかし、傷ついた自分の姿から目をそらしてきたことがいけないのではありません。そうすることでしか、自分の身を守る手段がこれまではなかったのです。そんな自分も責めないで認めてあげて下さい。

そして、その意識を変えたいという風に感じてきたということは、変えても大丈夫な状況が整ってきたということだと思います。その時その時に最善の手段を用いてきたのです。

だから、そのことも踏まえて、意識を変えることに目を向けてみてください。

どちらを選んでもいいのです。

これまでの自分の意識をそのまま持ち続けること。

これまでの意識を手放して新しい発想を生み出せるようにすること。

あなたの人生の選択権はあなたにあるのですから。どちらの選択も同様に尊い選択です。

見たくない自分の姿に向き合うことには勇気が必要ですが、向き合い終わったあとには、安心感が増します。

勇気を持って向き合う決心ができた時、あなたの意識はそれだけで変化の一歩を踏み出しています。

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