選手が壁を感じた時、チャンスがきている

これまで上手くいっていたはずのことがどうも上手くいかなかったり、努力も準備も十分にしているはずなのになぜか上手くいかない・・・という時、それは発想の転換が必要になってきている、ということなのかもしれません。

生まれた瞬間から、私たちは多くの学びとともに知らないうちに多くの価値観を自分の中に増やしています。

聞き分けのいい子の方がいい、人と仲良くできた方がいい、褒められることをした方がいい、明るい方がいい・・・。

失敗してはいけない、我慢をしないといけない、わがままを言ってはいけない、・・・。

それらは、良いとか悪いとかという理由で判断して受け入れているわけではありません。

親から愛され、家族や友達その他の人々の中で安心して安全に生きていくためなど、所属している社会で生き抜くために必要だったからです。

だから、人それぞれ、持っていると上手くいきそうな価値観を自然に選択して持ち続けています。

 

ところが、どの価値観にも時には上手くいって、時には上手くいかないという両方の面を持ち合わせています。

 

例えば、あるスポーツ選手が、『失敗してはいけない』という価値観を幼い頃から大事にしてきたことによって、これまでは失敗することなく、上手くいった時には周りの大人から褒められ、気持ちよく過ごすことができていたかもしれません。

ある意味、とても慎重な面が功を奏していた、ということになります。

しかし、それは、違う側面から見ると、失敗する可能性のあることには挑戦しない、言い換えれば、自分の能力の限定された部分でしか行動していないということになります。

そして、自分の可能性に気づくことができず、本当はできるはずのことが、自分で勝手にできないと思い込んでしまっているということが起こってしまいます。

それが、これまでそうしてきて上手くいっていたはずのことが、なぜか近頃は上手くいかない・・・、もしくは、「苦手なことはやらない方がいい」という発想に、無意識につながっているかもしれません。

そんな選手に対して、指導者は「失敗を恐れず、チャレンジしなさい」と言うことは、ごく当たり前に行われていることでしょう。

ただ、その選手が持ち合わせている『失敗してはいけない』という価値観に、『恐怖』などの強い感情がつながっている場合、「分かってはいるけど、できない」という状況に陥ってしまいます。それによって、できない自分にますます自信をなくし、チャレンジすることにより恐怖を感じてしまうということに陥ってしまう可能性もあるでしょう。

もちろん、『失敗してはいけない』という価値観を持っていたとしても、チャレンジをして成功した体験を重ねていくことで、自信を高めることができる場合もありますし、次第に『失敗しても大丈夫』という価値観に変化していくこともあります。

しかし、価値観にくっついている感情が強ければ強いほど、価値観が自分の可能性を制限してしまう可能性が強いです。また、その感情が強ければ強いほど、厄介なことに、自分では気づきにくいのです。

そのようなことによって、自分の選手としての道を志半ばであきらめてしまった人は、実際、多いのではないでしょうか。

でも、大丈夫です。

何が自分の可能性を制限しているのかを見抜き、それを手放すことができれば、不思議なくらいに自分の中に力が湧いてきます。そして、自分の可能性に限界を感じた時には、実は新たな発想や自分自身の能力や魅力に気づくことのできるチャンスです。

そのチャンスから逃げずに向き合えた時、きっと新しいあなた出会えます。

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