私たち人間の多くは、自分の本音にふたをしています。
人間が、自分自身で気づいている意識は、全体の約4%と言われています。つまり、自分自身の意識の約96%の部分は、本人自身が気づいていないということです。
「気づいている意識」というのは、例えば、今日の朝ごはんはパンにしようかな~ごはんにしようかな~とか、今日はミスできない大事な仕事があるけれど緊張するな~とか、最近太ってきたし何か運動を始めようかな~とか、隣の席の女の子がかわいいな~とか、自分って結構努力家だな~とか、自分にはこんな素敵な人が振り向いてくれるはずないよな~とか・・・。毎日、起きてから寝るまでの間に自分の頭の中で浮かんでいる考えのことです。
それが、自分の意識の中の4%にすぎない、ということです。つまり、それ以外に自分が感じていることや信じていることがある、ということです。
そして、厄介なことに、自分の本音は『気づいていない意識』の方だということです。本音(=潜在意識)と、自分自身が表面的に気づいて認識している意識(=顕在意識)とに矛盾が生じている場合、行動にも矛盾が生じてきます。
例えば、スポーツ選手が「試合で力を発揮して活躍したい」と思っていたとします。当然、そのために一生懸命練習に取り組んだり、自ら進んで勉強したり、自分のプレーしている姿を自己分析をしたり、生活習慣も良いとされているものに変えたり・・・と、努力を重ねることでしょう。
ところが一方で、自分では気づきもしないうちに「活躍すると人に恨まれる」とか「目立ってしまうと邪魔をされる」というようなことを信じていたとすると、こんなことも起こりえます。ようやく自分の努力の成果が認められ、活躍できるチャンスを手に入れた。なのに、なぜかチャンスを生かせない・・・。「活躍したい」という思いと「活躍すれば悪いことが起こる」という、自分の意識の中で矛盾が生じています。この場合の本音は、活躍すると悪いことが起こる。だから「活躍してはいけない」です。
だから、活躍しそうな場面に出くわすと、反射的にそれを避ける行動をとってしまっています。なので、どれだけ努力をして能力を伸ばしたとしても、それを発揮して活躍することは自分が許さないのです。これは、能力がなくて発揮できなかったのではなく、自分の意識が発揮するのを反射的に阻止しているのです。
ですので、この場合、自分の力を存分に発揮できるようにするための鍵は、身体能力や技を磨くことよりも、自分の意識を「活躍しても大丈夫」という方向にシフトさせることです。
では、意識をシフトさせるためには、どうすればいいのでしょうか。
この場合、ただ単に「活躍しても大丈夫だ」と言い聞かせることをしても変化はしないでしょう。もちろん、自分の本音に気づいた瞬間に意識が勝手にシフトされる場合もあります。しかし、本音の『思い(この場合、活躍してはいけない)』に強い『感情』がくっついている場合には、その感情が癒されないことには意識のシフトは起こりません。
まずは、そんな感情や思いを持っている自分も許して認めて受け入れてあげてください。
それができたら、次はその感情や思いを手放しても大丈夫な状態に変化させてあげると、自分のパフォーマンスにも変化が起こっているはずです。
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