自信は特別な人にだけ宿るものではない

リオオリンピック後、テレビにレスリングの吉田佐保里選手が出演しているのを見ました。そこで私が一番印象的だったのが小藪さんのコメントです。決勝戦で負けて泣いている姿を見て、「吉田さんは元々強い人なんだろうと勝手に思っていたが、あの姿を見て、普通の女の子がとてつもない努力をして頑張ってここまできたんだなぁと分かった。その背中には想像もできないくらい重たいものを背負っていただろうと思う・・・」というようなことをおっしゃっていました。

もしかすると、吉田選手のように素晴らしい実績を残しているような人たちは、「普通の自分たちとは違う特別な人」だと捉えられていることが多いのかもしれません。

しかし、どんな大変な偉業を成し遂げようとも、吉田選手のお母さんや小藪さんも言われていたように、普通の女の子に違いないのです。

成し遂げた偉業は、その普通の女の子が、相当の努力をしてきた結果です。

また、別の角度から話をすると、スポーツ選手が自信を高めるためには技術力を高めたり、勝つという体験を重ねたりして、成功体験を積み重ねることだ、と一般的には捉えられているかもしれません。

もちろん、成功体験を積み上げていくことによって、自信が高まるという経験をした人は多いと思います。が、それは元々の自分への信頼度が高い場合に起こっています。

元々、自分を信頼している人は、何かを達成したり成功する体験をする度に「やっぱりな」という思いを深めていきます。それが、「自分の力は信じるに値する」という元々持っている思いに信憑性が増してきて、それが自信を深めることにつながることがあるでしょう。

しかし、一方で、何度も成功体験をしたり何かを成し得たりしても、「自分は本当に大丈夫なのか・・・?」という不安がぬぐえない場合も存在します。その場合には、前者と同じ成功体験をしたとしても、同じ自信を得られるとは限りません。むしろ、その不安を少しでも和らげたいと「もっともっと」と頑張り続けなければならない、ということが起こり得ます。

そんな時には、テクニックが向上しても、勝利を重ねても、不安で仕方がない、つまり自信はいつまでたっても高まらないのです。

もちろん、自信が持てないからこそ、他人より努力をし、その結果、力を高めることにつながる、ということもあります。自信を持てないことが悪いのではありません。

しかし、自信を持てないことによって何らかの具合の悪い問題が生じている場合は、自信を持てるようにすることによって、力を高めながらもその問題をクリアすることも同時に可能になる道もある、ということです。

話をテーマにもどすと、自信をつけるというのは、成功体験をしたから得られるのではなく、自分への信頼度を高めることによって得られる、ということです。だから、『自信』は特別な人にだけ与えられるものでもないし、普通の自分には手に入れられないというものでもありません。

そして、特別なことを成し遂げた場合に増えるのでもないし、何も成し遂げなければ持てないものでもありません。

ですが、今、自信を持てていないと感じている人が自信を高めるためには、今のままじっとしているだけでは手に入りません。自信が持てない原因があります。それを一つひとつ解決して行動に移していくことで、誰でも高めていくことができます。

スポーツ選手に限らず、どの人にとっても同じことが言えます。

ご自分への信頼度を上げてみませんか?

 

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