ケーキ屋さんを営んでいるAさんとBさんの二人の職人がいたとします。(架空の話です。)
二人は同じ時期にお店を始めました。しかし、次の年から消費税が上がることが決定しました。今の設定の値段では経営が苦しくなることが予想される状況が訪れます。そんな時、二人の職人さんはそれぞれに決断をすることになります。
Aさんは、自分の商品をお客さんが買ってくれるのかどうか不安です。今はまだ有名ではないお店で、これから先もお客さんが来るようになってくれるのか心配です。そんなAさんの下した決断は、「値段を上げてしまったらお客さんが買ってくれなくなるんじゃないかと心配だ…。利益は減ってしまうけど、そのままの値段で続けよう。」安いからという理由で買ってくれるお客さんはいるけれど、利益が減ってしまって新しい商品の開発費やお店の改装費用を工面することは難しい状態です。
Bさんは、自分の腕と商品に自信を持っています。今はまだ有名ではないお店も、いずれはお客さんがいっぱい来るお店に成長するだろうというイメージを抱いています。そんなBさんの下した決断は、「これをきっかけに、値段を上げて自分の商品の付加価値を上げよう。」。もちろん、安い値段だからこそ買っていたお客さんは、もう買わなくなるかもしれません。しかし、少し高いけどこのBさんの作った商品の味が好きというお客さんが、リピーターとしてまたお店に足を運んでくれるように自分の腕をますます磨いていけばいいのだ、という判断に基づいています。
この二人の置かれている状況は同じです。
しかし、そこで何を選択するかは全く違っています。この選択の違いによって、この二人の今後の状況は違ってくることは明らかです。(もちろん、どちらの選択肢が良い悪いという話ではありません)
AさんとBさんの選択の違いは、「自分自身に対する捉え方」の違いから生まれています。Aさんは自分に自信がないまたは自分の将来に信頼が置けないと(無意識に)感じています。一方Bさんは自分の腕や将来の信頼を(無意識に)置いています。自分をどのような存在であると捉えているかによって、選択は異なってくるわけです。
日々、数えきれないくらいの小さな選択を私たちは重ねて生きています。その積み重ねが、今の自分の状況を生んでいる大きな要素になっているのです。
これをスポーツの場面で置き換えると、ゲーム中には無数の選択を次々にしていかなければなりません。その積み重ねが、ゲームの流れや結果を生んでいることは明らかです。
より良い選択を積み重ね、望んでいる結果につなげるためには、自分自身の捉え方をよく観察することが必要です。そして、もし、自分自身の捉え方が自分にとって望ましいものでなければ、それは変えた方が望んでいる結果を生みやすくなります。
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