競技と勉強を両立させる、それ以上に相乗効果を生み出す発想の仕方

以前選手向けに行ったセミナーの時に、県の代表選手のある1人が「競技と勉強の両立が難しい」という悩みを相談してくれました。

「競技も勉強もどちらも上手くいく方法を考えればいいよね」

という一言で彼は

「あっ、そうか!ありがとうございました!」とあっさり悩みから抜け出たんです。

えっ、そんな簡単なこと!?

と思われるかもしれませんが、抜け出せないでいる時にはそんな誰かにとっての当たり前のことが突破口になったりするのです。

で、今日はせっかくなので、競技と勉強を両立させるだけでなく、それ以上に相乗効果を生み出す発想の仕方について
中1の時の私がやっていた実体験を例に上げてシェアしていきたいと思います。

これも、読んでくださっている指導者の方にとっては、もしかすると当たり前の発想法かもしれませんが、それができないで困っている選手は

・どの時点でつまずいているか
・切り替えポイントは何なのか

という視点でみていただけたらと思います!

まず、勉強頑張りたいということは、具体的に言うとテストで高得点を取りたいということになりますね。

まず、ここで「最初にして最大のつまづきポイント」が発生している可能性が高いです。

 

 

①何のためにテストで良い点数を取りたいのか

 

ということです。

ここでのポイントは、その「何のために」がワクワクするものであるかどうかです。

もしくは、自分のワクワクするものにつなげられているかどうかです。

もし、ワクワクするものにつながっていない場合はそもそもモチベーションが上がりません。

一時的には上がったとしても長続きしません。

これが良い時と良くない時の浮き沈みが激しい状態を生み出します。

 

私の場合は「バスケットがもっと上手くなりたい。強い選手になりたい。」がワクワクすることだったので、それにつながることはワクワクするものに変換されます。

「強い選手でありたいならば、そんな選手はきっとどんな場面でも妥協しないだろう。

 だから、日常生活から妥協しないくせをつけたい!
 
 ということは、テストでも100点を目指せば良くない!?」

こういう発想です。

これは、いかに自分の望んでいる姿に今目の前のやるべきことを活用するかという発想です。

 

②「100点取ろうと決める」

ここで「決める」ということをします。

SLLの能力発揮マインド構築プログラムの中でもお伝えしていますし、私のメルマガの中でもたびたび登場しますが

この   「決める」   という感覚はこんな感じです。

 

 

③やらなければいけないからやるのではなく、それができたらゲームのようにめっちゃワクワクするからやる!

こういう視点でテスト勉強に向かえば、テレビゲームを楽しむことと一緒です。

いや、それ以上に楽しいです。

なぜならリアルなゲームだからです。

次に、考えることは、「じゃあ、どうやったら100点取れるか」ということです。

これもテレビゲームを攻略しようとしている時の感覚と同じです。

その時に
④できるかできないかを考えないで、【私が】100点を取るためには何が必要かを書き出します。

ここもよくつまずくポイントです!

これは自分にはできないかもしれない・・・
面倒くさい・・・

という思考が出てきてそこでストップしちゃうんですね。

⑤やるかやらないかはまず置いておいてあらいざらい書き出します。

これやりたくないな~という方法は後でこれならやってもいいなと思う方法に変換すればいいですね。

これも
⑥まず最初に書き出すのは「【私は】何ができるようになれば100点を取れるか」ということです。

1日3時間勉強すると決める!

これはつまづきポイントになります。

1日3時間勉強したからと言って100点を取れるかどうかは分かりません。

・テスト範囲の漢字が50個あるのを全部覚える
・連立方程式が解説を見なくても解けるようになる

というような感じです。

「今の自分の姿から、テスト勉強をした後の自分はどのように変化しているのか」

という着地点をきちんと明確にできているのとできていないのとで得られる結果に大きな差が生まれます。

 

 

そして次にようやく
⑦そうなるために【私は】何をする必要があるかを書き出します。

・漢字を50個覚えるために、まず自分でテスト問題を作ろう。それを答えを見ないでも100点満点とれるようになるまで繰り返し模擬テストをやり尽くそう!

・連立方程式を解けるようになるために、まず問題集の出題範囲のページを一通りやろう。そして、間違えた問題だけ間違えなくなるまで何度もやり直そう。最後にもう一回全ての範囲をやって確認しよう。

 

 

ここでも大事なポイントがあります。
⑧人と比べないということです。

何度も【私が】【私は】という言葉を強調しましたが、他人に必要なことと自分に必要なことは当たり前ですが違っています。

覚えるのが得意な人と苦手な人では、100点を取るのに必要なことは違っていて当たり前です。

だけど、とった100点は同じ100点です。

私はおそらく人より時間がかかるタイプだなと思っていたので、人より勉強する時間をかければいいんだなと思っていました。

だけど、ここでつまずいてやる気をなくしてしまう生徒も少なくないのです。

 

「Aさんは勉強してなさそうなのに良い点数をとっている。

 自分はそうではない・・・。

 私って頭がよくないんだ・・・。

 落ち込む・・・。」

本当はそんなところ落ち込まなくてもいいのです!

時間がかかってできるようになったとしても、短時間でできたとしても、「できる」ということには何ら変わりないのですから。

むしろ、時間をかけた分定着しているものです。

そして、次に
⑨書き出したto doリストを自分の時間に当てはめていきます。

使える時間がとてつもなく少ないことに気づくはずです。

ここでも前に進むか立ち止まってしまうか分岐点の重要ポイントになります。

 

 

⑩ない時間でもやりきる!

このリアルゲームを攻略するためには「今の時点では100点取れない自分」から「100点取れる自分」へと進化させる必要があります。

でも、1日は24時間というアイテムしか与えられていません。

すると、「1時間でこの分をやりきる!」ということを本当にやるためには自ずとすごい集中力を発揮します。

私たち人間の力はすごいもので、必要とあらばその力を引き出すことができるのです。

このものすごい集中力を発揮するためにも良い点数をとりたい目的が「ワクワクするもの」でなければならないんです。

 

 

⑪自分好みにカスタマイズする

それでも、時間は足らなかったりします。

すると、次に工夫しようとします。

どの時間を削れるか。

どの時間をもっと有効活用できるか。

友達に誘われたからといって一緒にカラオケに行っている場合ではないことが分かりますよね。

 

それに、家に帰ってからの勉強時間をもっと少なくしたいな・・・。

テレビも見たいし、自主練する時間もほしいし、憧れの選手の映像も見て研究したい・・・

 

ん!?良い時間があるじゃないか!

嫌でも学校では授業を受けなければいけない時間が毎日6時間ずつある。

その時間に覚えられることを全部覚えてしまえばいいんじゃないか!?

よ~し、めっちゃ集中して授業を受けて、家での勉強時間を減らして他のやりたいこともやるぞ!

それに、分からないことは学校にいるうちに先生に質問しておこう!

めっちゃ集中して授業を受けてたら、早く問題が解けて何にもしてない時間が出てきたな・・・。

もったいないからバスケのフォーメーションの確認しよう!

この前上手くいかなかったあのプレイをイメージの中でやり直してみよう!

せっかくだから、今日の練習で修正したイメージを試してみよう!

ついでにこんなプレイもできるようになりたいな~。

あの選手のあのプレイ、あれどうやったら自分もできるようになるかな~。

こんな風に、自分の頭の中は「望むこと」でいっぱいになります。

 

⑫計画を修正する。

実際にto doリストを実践してみると計画通りにいかないことが必ず出てきます。

ここでも、計画通りに行っていない自分ことを責めません。

計画は修正するものだと最初から認識しておけばいいです。

だからこそ、計画には予備日や予備の時間が必要です。

計画通りにできなかった分をやる時間です。

そして、テスト当日までに

テストでまだ100点取るレベルに達していない自分
   ↓↓↓
テストで100点取れる準備が整っている自分

に進化させておきます。

 

そうなれば、本番当日の気持ちはというと「ワクワク」です。

 【テスト VS 私】

というリアルゲームが始まります。

やってみると分かると思いますが、100点を目指してやったテスト勉強の結果は

80点~90点台

というところにおさまります。

ここでも、悔しい~!!!という気持ちは湧いてきますが、落ち込みません。

テレビゲームで負けた時ってそうですよね?

 

⑬今回の結果を受けて、振り返りをします。

これも結構やらない人が多いんですね。

「頑張ったのにできなかった・・・。」

そんなことは世の中、日常茶飯事です。

つまり、大したことではないということ。

私ならこういう発想をします。

「私にはまだ伸びしろがあるってことですね~(本田 圭佑風 笑)」

また次の新しいリアルゲームに参戦すべく楽しみながらto doリストを作成し、実践するというPDCAサイクルを回すわけですね。

 

ここで立ち返らないといけない重要なポイントがあります。

⑭何のために100点を取りたかったのか!?ということ。

私の場合は「バスケットがもっと上手くなりたい。強い選手になりたい。」

【そのために】妥協しない選手でありたい。

大事なことはここであって100点を取ることではないんですね。

もちろん、100点を取る自分であればもっと楽しめます。

だけど、楽しいということであって、できなかった自分はダメな自分ではないという発想が大事なんです。

勉強は、あくまでも自分の望みを実現するための手段の1つにしかすぎません。

ですが、勉強ができるかどうかにその人自身の存在価値を見出そうとしてしまうと、まさに【本末転倒】になってしまうわけです。

「勉強する」という時間そのものをこうありたい自分であることのために活用するという発想でいると、いろんなことに活用できます。

例えば、私の家は兄弟も多く昔ながらの家の造りだったので、勉強机がある場所はガラス戸をはさんでみんながテレビを見る居間でした。

勉強してる時に「テレビを消そうか?」と家族が気遣って言ってくれましたが、これも私にとってはチャンスです。

「こんなうるさい所でも集中して勉強できたら、私の集中力ってすごいことにならないか~!?ワクワク」

こんな感じで「どうぞテレビをいつも通りに見てください。」と断りました。

騒音は邪魔になる!とイライラする人もいるかもしれませんが、自分の望みにつなげることができたものは何でもワクワクに変換されるのですね。

こういった感覚を身につけたらどこでだって活用できます。

競技もしかり、職場でもしかりです。

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